2016年11月12日土曜日

隣のおばちゃん


子供の頃マンションの隣の部屋のおばちゃん家族によく面倒を見てもらっていた。
他人なのに親戚のおばちゃんみたいだった。

毎週金曜日はおばちゃんとおじちゃんと一緒に
家で観られない「太陽にほえろ!」を観るのを楽しみにしていた。

夏はおばちゃんちの戸が風を通すために開けてあるとすぐに遊びに行ってた。
お菓子を食べさせてくれたりテレビを見たりした。

ワイドショーの神霊写真コーナーが怖かった事と
「独占!女の60分」に出て来る女の人たちが苦手、と思ったことを覚えている。

おばちゃんはスーパー主婦で
家はいつもきちんと整頓されて無駄がなく気持ち良かった。


おばちゃんちの次女のお姉ちゃんは若い時から達観していて頭のいい面白い人で
子どもを子ども扱いせずにいつも自然体だった。

お姉ちゃんは私たちが遊びに行く時間にはあまり家に居なかったけれど
留守の時も部屋はいつもキレイで雑誌に出て来るみたいにお洒落だった。

小学生の私と兄は両親が仕事に行っている留守中
家を散らかし放題散らかしていたので
別世界みたいなお姉ちゃんの部屋に憧れていた。
80年代だった。



おばちゃんたち夫婦はもうマンションに住んでいないので
今は年賀状のやりとりになってしまったけれど
去年送ってくれたおばちゃんの作った干し柿はものすごく美味しかった。

今までずっと
おばちゃんは世話好きで、子ども好きだから
趣味で隣の私たち兄弟の面倒を見てくれているんだ、と
認識してきたのだけど

つい最近、ふと気が付いた。

おばちゃんが自分の時間を私たちのために使ってくれていた事と
鍵っ子の私たちを不憫にも思って
子育てを手伝ってくれていたんだ、という事に。

その事に何十年も気が付かないくらいさりげなく。